おとこはつらいよ

11月6日(金)  月夜

 しばらく手を入れていないグローブボックスから出てきた一本の'TDK'ADテープ。


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 見慣れない朧月も浮かんでいた晩だし、古いカセットテープに録音されたその一曲は、スピリッツをもう一杯飲む理由としては最適だった。



近よらないでよ
わたしのそばに
だってわたしは今、罪におぼれてるからさ
おごってよ誰かジンを一杯さ

『ジンハウスブルース』詞:浅川マキ 曲:H.Troy−F.henderson 唄:浅川マキ

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 変わった明るさの月だった。


ねえ誰かいないのジンをおごってくれる
そんなひとには
やさしくしないとね
だってわたしは今、罪におぼれてるわ



 連続式蒸留機で度数95度以上になったグレーン・スピリッツは、植物成分を加えもう一度単式蒸留機で蒸留し、植物成分の香りを溶け込ませて‘ジン’となる。

 あと一杯のつもりが、覚醒した脳ミソがもう一杯と求める、一杯でいいからと。 


ちかよらないでよ
あんたに勝ち目はないわ
だってわたしは今、罪におぼれてるからさ
おごってよ誰かジンを一杯さ・・・・

11月3日(火)  器

 秋、酒蔵
前橋市山賀煉瓦倉庫中蔵で11月8日(日)まで開催されている『秋、酒蔵にて』。



11人の作家さん達が「酒」をテーマに様々な作品を展示販売
山賀2
中でも岡崎酒店が尊敬する籠橋先生の酒器はやはりカッコよかった!




山賀6
鮮やかであるがダーク、

山賀3
拳銃が存在するような重厚さと、


山賀4
錆びたジャック・ナイフで刺されるような狂気。


山賀7
そんな器で乾杯したい!




10月31日(土)  晩秋

 の後姿は何をか言わん・・・・



黒4
 西の空を見つめるクロの背中は寂しげだが、おもしろい。



黒5
 フゥ〜という吐息が聞こえるようで、おもしろい。



黒3
 暇だから立ち上がったクロの後姿の影が伸びる。



黒6
 俺も世間も秋深しかな・・・・



黒2
 いやいや、クロの背中は僕を勇気づけてくれる。





黒
 フフ。




10月29日(木)  勝沼醸造株式会社

 勝沼醸造株式会社(山梨県甲州市勝沼町)の志村営業部長が足利にお越しくださいました!

 今年の夏以来の再会です

 11/3の『やまなしヌーボー』解禁日を控えて、現在大変お忙しい志村さんはヤル気まんまん、迎える僕たちも迎える気マンマン!

 ワインの話はもちろん、料理との相性から効果的な提供法など、堅い話はとりあえず脇に置きがのります。



勝沼さん
アルガブランカ・クラレーザを空けたところで芋焼酎の燗へ。 今夜は親方とハイポーズ!


 スイエンさん
あらあら粋圓のマスターも福笑い

 粋な志村さんは言います。「とっておきの山梨の地酒があるんですよといってね、クラレーザを紹介してみて下さい」 「はい」

 足利の夜はなごやかに更けていきました。 

勝沼醸造株式会社

10月26日(月)  山あいの蔵の焼酎 「藤の露」

 民俗学者であり作家でもある谷川健一先生は、著書『わたしの民俗学』サンカについて少しふれている。

 ・・・私はサンカの話を九州山脈で聞いたことがあります。日向の諸塚(もろづか)という所に七つ山という所があり、という川が椎葉(しいば)の方から流れております。このあたりはサンカの根拠地なのです・・・

 サンカとは山の漂白の民といわれているが、その実像は明らかでない。

藤の露
「藤の露」株式会社藤本本店(宮崎県東臼杵郡諸塚村大字七つ山
原材料:麦、米麹
アルコール分:25度
常圧蒸留

 を切るとたちまち力強い麦の香りが立ち上がり、さらに米麹に由来する香ばしさが口中にグッと広がる。
 オンザロックにした場合、氷が溶けて薄まれば薄まるほど甘みが際立ってくるのは、原料由来なのか?麹造りがしっかりしているのか?イブシ銀の食中酒である。
 
 諸塚村は九州の屋根といわれる九州山脈の中にあり、藤本本店はその集落の一つである七つ山で、一世紀以上にわたり山あいだからこそ醸せる、吸い込まれるほど静かに、そして自己主張する焼酎を造っていた。




 ・・・サンカは夏になりますと、しだいに北上いたしまして、阿蘇の外輪山まで移動します。そこで竹を切って笊を作り、籠を編みながら渡世していくわけです・・・


 ・・・竹は観音竹のある所を探して点々と移動しては生業を営む。そして秋になると帰ってくるという生活をしておったらしい・・・



 七つ山に帰ってきた彼らは、吸い込まれるほど静かな、とても静かな山林から、天空へと立ち上るモウモウとした醪の湯気を、どんな気持ちで眺めていたのだろうか。